信楽の伝承と伝統

2007年12月18日



信楽焼の伝承の、そこには歴史にあります。
信楽焼の産地においては三つの地区に分かれます。
現在の中心となる長野地区・窯元散策路、登り窯が多く存在した地区。
神山地区、三重県伊賀焼と隣り合わせで産地としては信楽焼発祥の地であり、水上勉の「しがらき物語」のロケーションの地区。
勅旨・黄瀬地域、聖武天皇の紫香楽宮での地名と精神を受け継いでいる地区であります。

当初は同じ産地として活動をしていたのですが、江戸時代に生産利権の争いの後に色分けがなされました。
長野地区 茶壺・壺類、火鉢などを中心に大物陶器(土間での使用製品)
神山地区 土瓶、徳利、茶碗、小皿などを中心とした小物陶器
勅旨・黄瀬地域 祭器、徳利、茶碗、高台、油差などを中心とした細工陶器が生産されていました。

昭和30年代においてもこの色分けが通用していましたが、その後燃料や生活様式の変化に伴い、利権を主張した長野地域を主体に生産製品を変えざるを得ない結果となりました。


遠くは、鎌倉時代から、江戸や明治時代においては大阪、京都をはじめとする大都市での商売。その地場産業・伝統産業としての取り組みにおいて、生産地区によりその伝承技術には大きく異なります。その後において表面的なことは互いの交換に基づき取り込んでも、精神的な面までの理解にはほど遠いものが今でもあります。
一方、信楽焼の流通においては産地問屋が長野地区に集中しています。それゆえものづくりでの指示や依頼もこの地区の考え方が全体の統一となります。結果、神山地区や勅旨・黄瀬地区で受け継がれてきた精神においても今では途切れかけていますが、これらの地区でのものづくりは非常に繊細な技術や感性で、今もかすかに残っています。
産地全体としては、考えなければならない時期にきています。

信楽には本来作家と称する伝承も伝統もありませんでした。他の陶磁器産地は所轄の藩や幕府の御用窯として歩んできましたが、今になっては残念ながら信楽は常に天領であったので統括されるものがなかったためであります。
それゆえ現代の作家と称するのは殆どが一代での希望的名声であります。残念ながら作家として一代で作陶の技術と、文化の両方を学び得ることは伝統工芸作家としては至難の業でしょう。(前衛作家であれば可能性は充分にあるようです=信楽焼ではなく)
代々作家活動を家業としておられるところは日本の文化、信楽の文化を大切に作陶をされています。

先人の生活道具としても伝承文化や伝承技術に基づき、現代の文化、感性を表現するのが伝統であるはずです。伝承の内容を知ってこそ伝統が生まれるのではないでしょうか。
世間に理解され認められる伝統を、工芸を・・・・・・・。











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この記事へのコメント
ふじ・愛サン 今晩はー

いつも丁寧な信楽焼についての広い視点からの問題が投稿されていて‥中々追いつけません(笑)‥本当に参考になります そしてイメージが明確です それぞれの地域(地区)ごとの引き継ぐモノを特色として意見も技術を交流しあい、そね全体が産地としての「信楽焼」brand‥‥面白い考えですね!
Posted by at 2007年12月18日 20:22
風さん こんばんは。
いつも適切なご指摘やご指導有難う御座います。
未来を考える際は、過去を整理して振り替えり、現代を冷静に把握と理解をする。
その後に未来を予測するのが定説であると思い、まずは過去を振り返っています。
そうすることで何かが見えてくるのでは・・・・・・・。
Posted by 縺オ縺倥?諢帙し繝ウ at 2007年12月18日 23:00
風さん 失礼しました  また 文字化け しました
お詫びして訂正させていただきます。
Posted by ふじ・愛サン at 2007年12月18日 23:27
おはよう、ふじ・愛サン

前の記事にやっとコメントできたら‥直ぐ この記事が入っていました たてかこさんからも温かいコメントが入っていましたよ‥いや、気づきましたので失礼_(._.)_
Posted by at 2007年12月19日 05:03
風さん おはよう御座います。
お早いお目覚めなのですね、この時間であればあたりは真っ暗。
最も温度が低い時間は、もう少し先ですか。
信楽の やきもの についてのコメントは しばらく休憩します。
ものづくりに携わっている人達が身をもって痛みを感じなければ前には進みません。
今イベントを推し進めているのは、ものづくりに関わっていないところです。問屋家業か、サービス家業。
信楽を元気にするのは何が必要かが解るまで・・・・・・・。
Posted by ふじ・愛サン at 2007年12月19日 08:05